唾液で歯周病検査

唾液検査で歯周病チェック

成人が歯を失う一番の原因になっているのが歯周病です。厚生労働省が中心となり、80歳になっても自分の歯を20本以上保とうと「8020運動」を推進していますが、歯周病は増加の一途をたどるばかりです。

岩手県には重度の歯周病に罹っている人が多いことをご存じですか?その結果、失う歯の数は全国平均より3、4本多いといわれています。そこで健康いわて21プランでは2010年までに市町村の総合健康診査時の歯周病検診実施率を100%に、15歳以上の県民で年1回定期歯科健診を受けている人の割合を30%にすることを目標としました。しかし、平成15年に歯周病検診を実施した市町村は全体のおよそ半数にすぎず、定期検診を受けている人は8.5%という低さでした。

歯周病は痛みなどの自覚症状がないまま進行することから、その予防、早期発見には歯科医師による定期的な検査が不可欠です。しかし、個人個人が定期的な歯科健診を習慣化するのは難しく、また検診も前述のような状況にあることから、関係者からはより効果的な検診システムの構築を望む声があがっていました。

■唾液による検査が可能に

最近の研究で、唾液を検査することによって歯周病の有無や進行の度合いが分かると言うことが明らかになってきました。この研究結果をもとに、岩手県歯科医師会が全国に先がけて開発したのが今回紹介する唾液検査による歯周病検診システムです。検査検診については協会が委託を受けて実施しています。

岩手県歯科医師会では、かかりつけの歯科医師が検診後の相談、診療に応じる体制を整えており、歯周病が疑われると判定された場合などのフォローアップも万全です。

■検査項目は2つ

・出血検査・・・ヘモグロビン

歯周病が進むと歯肉組織が破壊され歯ぐきから出血します。これは唾液中のヘモグロビンを測定し、出血状態をみる検査です。出血(+)と判定された人のおよそ7割が歯周病であることが分かっています。

・炎症検査・・・LDH

LDH(乳酸脱水素酵素)は人体の組織に広く分布している酵素で、一般的には肝機能検査の項目として知られています。最近の研究で、歯周病が進行し歯肉組織が損傷することで唾液中にLDHが遊離し、その値が上昇することが分かってきました。出血の検査結果が(-)でもLDHが(+)の場合、その半数以上は歯周病であることが明らかになっています。

■検査方法

1 無糖ガム(a)をおよそ5分間噛みながら、紙コップ(b)に唾液をためます。

2 唾液をスポイト(c)の黒い線まで吸い上げて、固定液の入った赤い線の 取用スピッツ管(d)に入れます。

3 キャップをしっかりしめてから、スピッツ管を3~4回上下逆さにして、唾液と中に入っている固定液とをよく混ぜます。

4 残りの唾液を別のスピッツ管(e)に全部入れて、キャップをしっかりしめます。

■検査後

この検診は岩手県歯科医師会が中心になり、事後措置までをきちんとシステム化しています。検診で歯周病が疑われたら、すぐにかかりつけの歯科医院にご相談ください。唾液をとるだけの簡単な方法で歯周病の検査が可能なこのシステムに対して、今、各方面から大きな関心が寄せられています。歯周病早期発見に極めて有効で、しかも簡便なこの検診を、ぜひご活用ください。

歯周病検診について

●システムについてのお問い合わせ:社団法人岩手県歯科医師会  TEL.019-621-8020

●検診のお申し込み:岩手県予防医学協会 TEL.019-638-7185